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福井でJ2を観戦し、その後は観光を楽しもうという欲張り日帰り旅(後編) [旅行記]

6月16日に福井県へ行った旅行記は、今回で最終回になる。

前編は京都から福井まで行き、J2のサッカー観戦をしたところまでを。中編ではサッカー観戦後、タクシーの乗車拒否をされたおかげで、大正に建てられた旧森田銀行本店に出会うことができたところまでを書いた。

今回は、旧森田銀行本店に立ち寄ったとき、ガイドさんから「旧岸名家にも寄ってみて下さい」と言われたのでそちらにも行ってみたところからである。

旧岸名家



ここは、三国湊で材木商を営んだ、新保屋岸名惚助が代々住んでいた町家である。妻入りの正面に平入りの前半分をつけた三国特有の「かぐら建て」で建てられている。

旧岸名家がある下新町は、幕末から明治にかけて三国湊の商業の中心である。旧岸名家の他にも「かぐら建て」の町家がたくさん立ち並んでいた。

ここにも、ガイドボランティアさんがいらっしゃったので、説明を受ける。

屋敷に入ると、京都にある間口が狭く、奥行きが深い「うなぎの寝床」のような作りだという印象をもった。店から台所へ続く「とおり」は、かつて九頭竜川沿いまである奥の蔵まで続いていた。「とおり」を使って、三国湊で荷揚げした荷物を運んでいたという。なお、現在の「とおり」は途中で切れているが、「うなぎの寝床」であった名残が十分感じられた。

三国仏壇のある座敷から中の間、おい、帳場を眺める。1階にはへっつい(かまど)、御餅つきの杵臼、そろばんなど古い道具が展示されていた。


中庭を眺める。心地よいそよかぜと相まって、さわやかな時が流れる。そして、私以外見物客がいなかったので、それがまたよかった。

2階に上がると、岸名家の先祖にあたる岸名昨嚢が「日和山吟社」を創設したことから、それに関する資料が展示されている。昨嚢は、宝永元(1704)年に松尾芭蕉門下の各務支考が三国湊を訪れた際に、俳諧を通じた交流を深め、宗匠の印として文台を預かったと伝えられている。

ひととおりガイドボランティアさんから説明を受け終わったのが、16時30分過ぎ。旧岸名家の公開時間は17時までだったので、少し早いながらも2階の窓から雨戸を締め始めていた。
私は先に1階に下りていたのだが、1階に下りてきたガイドボランティアさんから「手伝ってくれないか」と言われるので1階の雨戸を閉めるのを手伝うことに。
雨戸といっても軽いアルミ製ではなく、木製であるので重い。長年使い続けているので、雨戸は引きづらい。
ガイドボランティアさん(そこそこ年配のおばちゃん)に聞くと、閉館前は毎日雨戸を閉めているとのこと。
窓の雨戸を閉め終わった後は、表の雨戸も閉めることに。写真は、雨戸がほぼ引けた状態。合計で8枚引っ張って来ないといけない。この作業がけっこうコツがいるのだが、最近ではなかなかできない体験とあって面白かった。貴重な体験をさせて頂いた気分。ありがとうございました、ガイドボランティアさん。

旧岸名家から歩いて5分ほどで、えちぜん鉄道の三国駅へ。時間は17時過ぎ。東尋坊へ行きたい気持ちも残っていたのだが、バスはなかったので、とりあえず駅へ行く。ちょうど着くと福井行きの電車がきたので、飛び乗る。このまま福井まで乗ろうかなと思い始めていた。

三国から乗り始めて10分弱で、あわら湯のまち駅に。行き違いのため、しばらく止まっているときに駅の広告に目をやると、あわら温泉に「セントピアあわら」という公衆浴場があることに気づいた。温泉にもつかりたいと密かに思っていたので、慌てて降りることに。駅から5分ほど歩いて、「セントピアあわら」に到着。

芦原温泉 セントピアあわら



「セントピアあわら」はけっこう立派な建物であった。入浴料は大人1回500円。「天の湯」(3階)と「地の湯」(1階)があり、行った日は男性が「地の湯」だった。温泉は、たまに入るのには気分がいい。4月に城崎温泉に行ったときは体がのぼせてしまったので、早目に浴槽から上がった。汗かきなので、汗がとぎれることがない。

ここで、「道の駅みくに」で安く買った「あわら温泉ぱん」を食べることに。食べてみると、丹波黒豆が入っており生地がふわふわしていて柔らかい。「セントピアあわら」でも売っていたが、定価で売られていたので、安く買えてとても得した気分。

「セントピアあわら」でゆっくりした後、あわら湯のまち駅まで歩く。18時43分発の電車に乗って、福井へ。ちょうどこの頃になると、眠気が襲ってきて、少し眠りこけてしまった。福井に着くと、写真のようなきれいな夕焼けが迎えてくれた。


福井に着くと、あと2、3分で京都まで帰れる特急「サンダーバード」があったが、切符を買っていなかったので、断念。みどりの窓口にある時刻表で調べると、名古屋へ行く特急「しらさぎ」があるので、それに途中の北陸線長浜まで乗り、長浜始発の京都方面行きの新快速に乗り換えて戻ることにした。少し遠回りだが、どちらにしろ京都まで直通の特急は1時間後しかないし、特急料金も「しらさぎ」に乗った方が若干安い。

 

福井駅の駅弁売場ではほとんど残っていなかったが、1,000円の鯖寿司が残っていてよかった。早速、特急「しらさぎ」の車内で食べる。鯖を食べるのは本当久しぶり。おいしかった。お酢がきつい気もしたが、疲れた体にはちょうどよかった。敦賀に着くまでには食べ終えて、気持ちよかったので、また寝てしまう。

アナウンスの「まもなく長浜です」で目が覚めたので、少し危なかった。寝ぼけながら降り、4番線に止まっている新快速に乗り換える。写真は、長浜で発車待ちの新快速。しかし、乗ってから発車時間になっても、電車は動かない。米原駅で人の立ち入りがあり、安全確認を行っていたため、4分遅れて発車した。それでも停車駅の停車時間を切り詰めたりしながら、3分遅れで京都に到着。そこから嵯峨野線で二条へと帰っていった。


今年初めてのサッカー観戦に、三国の町並みを見られ、あわら温泉にもつかれたということで、かなり欲張りな日帰り旅になりました。初めて行くところばかりでしたので、楽しみが多かったです。行き当たりばったり旅行にしてはうまく行ったのではないかと思っています。

ということで、今回のまとめです。
【今回のデータ】
総移動距離…約382.9km以上(うち徒歩移動約7.4km以上)
乗車本数…10本
乗車時間…6時間45分
移動値段…7,160円

【今回の行路】
二条(6:45発)-〔JR山陰本線(嵯峨野線)普通〕→京都(6:51着、6:58発)-〔JR東海道本線(琵琶湖線)・湖西線普通〕→近江今津(8:02着、8:12発)-〔JR湖西線・北陸本線普通〕→福井(9:57着、10:35発)-〔えちぜん鉄道三国芦原線ワンマン普通〕→三国(11:20着)・三国駅前(11:30発)-〔京福バス16系統〕→三国西校口(11:38着)-道の駅みくに-テクノポート福井スタジアム(J2観戦)-旧森田銀行本店-旧岸名家-三国(17:05発)-〔えちぜん鉄道三国芦原線ワンマン普通〕→あわら湯のまち(17:13着)-セントピアあわら(あわら温泉)-あわら湯のまち(18:43発)-〔えちぜん鉄道三国芦原線ワンマン普通〕→福井(19:20着、19:40発)-〔JR北陸本線特急「しらさぎ16号」〕→長浜(20:40着、20:46頃発)-〔JR北陸本線・東海道本線(琵琶湖線)新快速〕→京都(21:51着、22:04発)-〔JR山陰本線(嵯峨野線)普通〕→二条(22:11着)

こんなに歩いていたのかと思うと、びっくりするばかりです。特にテクノポート福井スタジアムから三国駅までのルート検索してみると、5km以上もあったのには驚きました。


福井でJ2を観戦し、その後は観光を楽しもうという欲張り日帰り旅
・まだ目的地じゃない(旅先からプロローグ)
・前編(行きからサッカー観戦まで)
・中編(帰りの歩きから旧森田銀行本店まで)

なお、旧岸名家の記述は、坂井市文化ポータルサイトの旧森田銀行本店周辺観光施設の説明文より一部引用しております。


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コメント 7

これは知りませんでした。。と言うよりも水郷がお邪魔した後に整備されたんでしょうね。。湊町「三国」を顕すランドマークですね。。
by (2007-06-24 21:10) 

ナツパパ

うーん、一泊しての旅行と思いこんでいました。
日帰りだったのですよねえ。
これだけまわれて日帰りが出来ちゃうんですね。
広範囲な新快速など、JR西日本のネットワークが羨ましいです。
by ナツパパ (2007-06-25 09:26) 

yas

お疲れ様でした。
全編楽しく読ませていただきました~
とっても参考になりました(^-^)/
by yas (2007-06-25 12:13) 

norinori

水郷楽人 さまへ
コメント&nice!、どうもありがとうございます。
調べてみると、旧岸名家は2003年に整備されたそうです。
旧岸名家のまわりにも町家が整備されていましたよ。

ナツパパ さまへ
コメント&nice!、どうもありがとうございます。
当初、日曜に京都で朝から用事があって、日帰りにしました。
(結局、用事はなくなったのですが…)
三国駅とスタジアムでの移動時間を短縮すれば、東尋坊も回れたと
思います。
京都から福井県へは、敦賀までの新快速直通後、接続もよくなって
心理的に近くなったと思います。
こういうところのJR西日本はすごいと思います。

yas さまへ
コメント&nice!、どうもありがとうございます。
楽しく読んでもらえて、うれしいです♪
福井へ行くには、一泊した方がいいかなと思いましたよ。
もうちょっと行く前に研究した方がよかったですね(^^)
by norinori (2007-06-26 18:36) 

barbie

結果オーライ、終わってみれば楽しい旅行でしたね。
雨戸の開け閉めなんてなかなかお手伝いできるものじゃないですよ(笑)うちの実家もまだ木製の雨戸があります。親戚が工務店のため、しっかりとした作りで40年以上になりますが、びくともしません。雨降りの翌日は木が膨張していて戸が開け閉めしにくいですが。
湯上がりの温泉パンは最高だったのでは。私も次回探してみます。名古屋行きのしらさぎに長浜まで乗れたのもケガの功名。そのまま雷鳥ならずっと寝てられるけど、これもラッキーでしたね。
by barbie (2007-06-28 00:15) 

Jetstream31

あわらにも日帰り風呂があるんですね~w
by Jetstream31 (2007-06-29 01:11) 

norinori

barbie さまへ
コメント&nice!、どうもありがとうございます。
今回ほど、結果オーライになった旅行は今までなかったぐらいです。
ガイドさんに頼まれたときはびっくりしましたが、人様の雨戸の開け閉めなんてそうできないので、いい経験させてもらえたと思います。barbieさんのご実家は、木製の雨戸が健在なんですね。昔の雨戸は、しっかりした作りになっていると、開け閉めを体験して改めて思いました。
温泉パンは、「道の駅みくに」なら品切れでない限り、手に入ると思います。
1時間後の雷鳥でもよかったのですが、混んでいるかもしれないので、しらさぎにしておきました。しらさぎの座席が気持ちよくて、乗り過ごしでしたけど(苦笑)

Jetstream31 さまへ
コメント&nice!、どうもありがとうございます。
当初は三国港駅近くの日帰り風呂に入ろうと思っていたのですが、
うまく見つけることができてよかったです。
by norinori (2007-06-29 19:42) 

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