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えちぜん鉄道に乗って [鉄道(京阪・嵐電・叡電)のこと]


↑三国駅を発車するところのえちぜん鉄道MC5001形

6月16日に福井県へサッカー観戦へ行った際に、えちぜん鉄道に乗ったのだが、いくつか印象に残るところがあった。
1ヶ月前近くの話になってしまったのだが、あれこれと思ったことを書いてみたい。

そのときの行程についてはこちら↓
福井でJ2を観戦し、その後は観光を楽しもうという欲張り日帰り旅
・まだ目的地じゃない(旅先からプロローグ)
・前編(行きからサッカー観戦まで)
・中編(帰りの歩きから旧森田銀行本店まで)
・後編(旧岸名家から帰ってくるまで)

(今回は、鉄道ジャーナル2005年12月号の「えちぜん鉄道のこれから」を参考したり、引用しながら記事を書いております)

まず、えちぜん鉄道について。
もともとは京福電気鉄道越前線(越前本線・芦原三国線)の路線であった。
京福電気鉄道は、京都にある嵐電(嵐山本線・北野線)と福井にある越前線を運営していたのである。
2000年12月と2001年6月の半年間に越前本線で列車の正面衝突事故があり、それを受けて国土交通省が越前線の全線運行停止という重い措置を取った(運休中は、バス代行運転)。
運行再開にあたっての設備投資に資金もままならない状態で、京福は2001年10月に越前線全線廃止の届出を行った。
そこで、福井県や沿線市町村の話し合いで京福から譲り受けた上での第3セクター方式での存続をはかり、2002年9月に「えちぜん鉄道」として発足。2003年7月から一部開通し、10月に全線開通した。

そんなえちぜん鉄道ではあるが、突然の運行停止中に沸き起こった鉄道の存続世論の盛り上がりにおされて、行政も重い腰を上げざるを得なかったと伝え聞いている。

えちぜん鉄道がなければ、足がない私としてはサッカー観戦すら行く気は失せただろう。

そういった意味では、よく存続させてくれた福井県の皆さんに感謝しなければならない。

ここからは本題。
JR福井駅から降り、少し離れたところにえちぜん鉄道の駅はある。

ここで少し驚いたのは、券売機がないというところ。したがってすべて窓口販売ということだ。
調べて見ると、どの駅においても券売機は全廃されたとのこと。
窓口の駅員に声をかけている京都サンガサポーターがいたのだが、「帰りも乗るのであれば、1日フリーきっぷの方がお得ですよ」と積極的に声をかけている。
私もそれに習って、購入した。

1日フリーきっぷが土休日・年末年始限定で発売されており、大人800円である。
ちょうど行ったのが土曜日だったので、買えるわけだ。
福井から乗車した三国までは普通運賃で700円であることから、お得度がわかる。

そして改札でまたびっくりした。パンチ穴でフリーきっぷに穴を開けてくれたのだ。JRの改札ではんこに変わってから10年以上になるので、ン何年ぶりかの経験である。

止まっていた三国芦原線三国港行きの電車に三国まで乗車する。
そうしたら、1両しかない5001形車両であった。
MC5001形車両は、京福時代の1999年に新造された。武庫川車両(現阪神車両メンテナンス)製造。京都の嵐電も同一メーカー製のため、外見は違えどなんとなく嵐電の雰囲気も感じられる車内。ロングシートで液晶モニターも4台設置されている。

発車が近くなって、アテンダント(接客専門の乗務員)が案内する。
一応ワンマン扱い(運転士のみ)だが、おおむね昼間時間帯に乗車している。
アテンダントは駅到着の放送、無人駅からの乗客に補充券を売り、下車する際には集札もする。運賃箱を使うことがない。
ご年配の方の乗り降りも手伝ったりもしていて、気持ちがいい。
何かかゆいところに手が届くそんな接客だと感じる。
運転士も行き違いで待ち合わせがあったりするとちゃんと案内するし、好感がもてる。

新田塚駅前の踏切が嵐電と同じ音色のする踏切音(音が独特なんです)で、旧京福の路線だったことを伺わせる。

車内にあるお知らせを見ていると、途中の西長田駅が有人駅になったとある。有人駅から無人駅にするのはよくあるが、逆はあまりないのではないかと思う。こういったところからもえちぜん鉄道の前向きさが伝わる。

あわら湯のまち駅の到着案内では、アテンダントが東尋坊へのバス案内をしており、今の時間帯ではあわら湯のまち駅よりも三国駅の方がバスの接続がいい旨のお知らせをしていた。
こういう案内、他の鉄道では聞いたことがないなと感じる。

帰りは、三国から途中のあわら湯のまちで温泉に寄り、また福井まで乗る。
こういった乗り方が気軽にできるのも、1日フリーきっぷのおかげだ。
帰りに乗った車両はいずれも、愛知環状鉄道からきたMC6101形であった。

こちらはボックスシートで扉付近にロングシートが配置されているJR113系っぽい作り。
昼間時はMC6101形でほぼ運用されている模様。
夕方5時を過ぎていたので、アテンダントは乗車していなかったが、その分運転士が頑張っていた。

えちぜん鉄道を乗車してみたわけだが、社長の思いである「現在の地方鉄道は、単純な利便性よりも“ふれあい”に付加価値が見出せる」「付加価値は現場が生む」ということを体現しているように強く感じた。

次の仕事を考える上(この当時は、まだ仕事が決まってなかったので)でもサービスというのものを考えさせられ、いい乗車であった。

もう一つの越前永平寺線には今回乗れなかったので、また訪れて乗って見たい。

※自己カテゴリーは、旧京福なのであえて「鉄道(京阪・嵐電・叡電)」としました。


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yas

norinoriさんの記事を読んで私もまた出かけたくなりました。
福井県って鉄道事業に対する取り込みに強い意志を感じられますね。
先日復旧した越美北線もそうですし・・・
雪の舞う走行シーンをおさえたくなりました(^0^)/
by yas (2007-07-10 08:50) 

barbie

最近は味気ない切符が多い中、この一日乗車券は記念になりますね。パンチ穴が懐かしいですね。
by barbie (2007-07-12 00:28) 

愛環鉄道の車両が活躍しているのですか。。何か応援したくなりますね。。(^^)
by (2007-07-12 13:16) 

みけ

1日乗車券で列車を楽しむのっていいですよね~♪
ちょっとずれた日付スタンプやパンチ穴もいい感じです♪
by みけ (2007-07-12 15:30) 

Gamaoyabeeeen

福井に生まれ育ち、京都で学生生活を送り、愛知で実生活する私には、norinori さんの語りの温かみもあって、なんだか心地よい記事でしたよ。
by Gamaoyabeeeen (2007-07-12 21:12) 

norinori

みなさまへ
お返事が大変遅くなりまして、申し訳ございません。

yas さまへ
コメント&nice!、どうもありがとうございます。
私もまた出かけたいですね。
yasさんのおっしゃる通り、福井県は鉄道事業に対しての一貫したものを
持っていますね。
越美北線も継続への強い意志がなければ、廃止されたかもしれません。
私はホームあたりで雪が舞うところを撮影しておきます(^^;

Jetsream31 さまへ
nice!、どうもありがとうございます。

barbie さまへ
コメント&nice!、どうもありがとうございます。
味気なさそうなカード式が多いなか、こうした紙製の1日乗車券は
嬉しいですね。
パンチ穴にお目にかかれるとは、思っても見なかったです。

水郷楽人 さまへ
コメント&nice!、どうもありがとうございます。
えちぜん鉄道は、愛環の車両が衆力になっています。
以前お住まいの近くを走っていた車両がまた第二の人生を歩んでいると、
嬉しくなりますね。

みけ さまへ
コメント&nice!、どうもありがとうございます。
1日乗車券のおかげで、温泉にもつかれましたし、安く上げることも
できました。
昔ながらの1日乗車券に久しぶりにお目にかかった感じで、
好感が持てました。

がま親分 さまへ
コメント&nice!、どうもありがとうございます。
照れますね(笑)
がま親分さんにそう言って頂くと、この記事を書いた甲斐がありました。
全国の鉄道会社でも、えちぜん鉄道は稀有な存在だと思いますよ。
by norinori (2007-07-15 10:24) 

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